
【留学生インタビュー】カナダの高校を卒業して帰国・リオさん
今回は、カナダのオタワに2年間高校留学をしていたリオさんに、留学を決めた理由から、現地での生活、そして得られた大きな成長についてお話を伺いました。高校留学という大きな決断の裏側にある葛藤や、病気と向き合いながら得た貴重な経験は、これから留学を考えている人にとって、きっと力強いメッセージになるはずです。

想像できなかった「高校に進学する自分」
―― まずは自己紹介をお願いします。
リオです。カナダのオタワにあるMother Teresa Catholic High Schoolで2年間留学をして、今年の6月に卒業しました。9月からは日本の早稲田大学国際教養学部に進学します。高校では専攻等はありませんでしたが、得意な数学の授業を多めに履修していました。最近のマイブームは桃太郎電鉄のゲームと、脳神経科学系の本を読むことです。
―― 留学に興味を持ったきっかけは何でしたか?
「このまま高校に進学したら、勉強と部活の両立が難しそうだな」と感じたことがきっかけです。私は中高一貫校に通っていて、中学時代はダンス部に所属していました。高校に進学した後もダンス部を続けようと思っていたのですが、割と体育会系のハードな部活だったこともあり、同じ部活の先輩たちを見る限りでは、勉学と両立させるのはとても大変そうでした。
もともと勉強は好きでしたし、両親が「将来の選択肢を広げるために」と5歳から英語を習わせてくれていたので、「昔から得意だった英語をもっと実用的に、新しい人や文化と出会うツールとして使いたい」という思いが芽生えるようになり、高校への内部進学ではなく留学を考えるようになりました。
―― 留学を決定づけた出来事はありますか?
高校に上がるタイミングで、日本の高校に進学する自分の姿を想像できなかったことが、留学を決意しました。もしこのまま日本の高校に進学したら、大学に進学しても就活しても、生きた英語を使わない環境に身を置いてしまうのではないかという危機感があったんですよね。それならば英語を軸にして進路を選ぼうと思い、留学することにしました。
―― 留学準備で一番大変だったことは何でしたか?
中学3年生のときにクローン病を発症したので、その準備が大変でしたね。幸いにも私はそこまで症状が重くなかったのですが、主治医に英文の紹介状や薬剤の説明書を書いてもらい、大量の薬を持ち込めるような手続きをしました。また、食事制限があったため、それに配慮してくれるホストファミリーをエージェントに探してもらう必要もありました。両親も留学準備にとても協力的で、病気を理由に留学を諦めるという選択肢はまったくありませんでしたね。
―― その他に「やっておいてよかった」と思うことはありますか?
ビザや保険の準備は早めに行うことと、良いエージェントを見つけることですね。最初のエージェントはレスポンスが遅く、途中で和田さん(三軒茶屋インターナショナルスクールの代表)に紹介してもらった個人のエージェントに切り替えることもしました。また、留学中は日本にいる友達が恋しくなる時期があるので、出発前に友達とたくさん遊んで思い出を作ることも大切だと思います。

英語で数学を教えるなど、学外活動も活発に
―― 授業で印象に残っている体験はありますか?
私はカトリック系の高校に留学していたのですが、「世界宗教(World Religions)」という授業の校外学習として、カトリック教会とイスラム教のモスクを訪問したことです。日本のカトリック系の学校であれば、モスクを訪問することはなかなかないと思うので、それだけでも非常にユニークな経験でしたが、さらにモスクでは中国出身の改宗者の方からお話を聞く機会があり、文化や宗教への理解が深まりました。日本の学校では経験できないような、とても貴重な体験でしたよ。
また、特定の授業ではなく全体に言えることなのですが、授業の進め方も日本と異なっていて印象的でした。例えば日本の学校であれば座る席が決まっていたり、手を挙げてから発言するなどのルールがあると思うのですが、留学先の高校でではみんな自由に発言していましたし、先生との距離も近かかったので、先生ともとても話しやすい雰囲気だったのが印象的です。
―― 授業以外で得た学びや経験を教えてください。
ボランティア活動で、地域のイベントや学校のクラブの手伝いをしていました。また、学校生活に慣れた頃からは有償のチューターも始めるようになり、中学生に英語で数学を教えたことも良い経験になりましたね。数学を英語で教えるとなると、専門的な単語をたくさん覚える必要があり大変だったのですが、教え子が私の教えた内容を理解してくれた瞬間の嬉しさはひとしおでした。教える楽しさも知ることができ、本当に良い経験になりましたね。
―― 現地での1日のスケジュールを教えてください。
朝7時頃に起きて、8時40分から授業が始まります。授業は1日4コマで、11時25分頃に昼食を取ります。2年生の時には時間割に「スペア」という空きコマがあったので、その時間は友達とカフェに行ったり、勉強したり、自由に過ごしていました。学校は15時に終わるので、その後は帰宅して宿題や明日の準備をしたり、友達と街に出かけたりしていましたね。
―― 留学中に一番つらかったことは何でしたか?
1年目のホストマザーとの関係があまり上手くいかなかったことです。理不尽に叱られたり、本来はホストファミリーが用意するはずの夕食の調理を強制されたりして、とてもストレスが溜まっていましたね。エージェントに相談することで多少は改善されたのですが、ホストマザーの機嫌を伺いながら暮らす生活は変わらず、次のホストファミリーのもとへ移る年度末までは、緊張した関係が続きました。
―― どうやって乗り越えられたのですか?
同じ家に滞在していたホストシスターたちと、毎日のように散歩に出かけていました。彼女たちも同じようにホストマザーとの関係に悩んでおり、お互いに家に帰りたくないという気持ちから一緒に散歩をするようになりました。出身国もバラバラの3人でしたが、みんなで学校の話や他愛のない話をすることで気持ちをリフレッシュでき、ストレスを軽減することができました。
ちなみにですが、彼女たちとは帰国した今でも連絡を取り合うほど仲が良いんですよ。また、留学2年目からは留学生の受け入れに慣れたホストファミリーのもとで、お互いのルールを最初に話し合うことができ、快適に過ごせました。

自分に合った留学の形を見つけよう
―― 留学前と比べて、どんな変化がありましたか?
留学前は完璧主義で、何事も深く考えすぎてしまう性格でした。しかし、今は「考える前にまずやってみる。ダメならやり直せばいい」というように、いい意味で深く考えすぎないようになりましたね。
また、人に頼ることがすごく苦手だったのですが、留学先ではクラスメイトやエージェントなどが積極的に「何か困ってることある?」と聞いてくれたり、周りの人が嫌な顔一つせず助けてくれるのを何度も経験し、そこから人に頼ることや助け合いの精神も学べました。日本の学生と違い、やることをたくさん抱えてセカセカしてる子がおらず、クラスメイトの多くが時間にも心にも余裕がある雰囲気だったのも、変化できた大きな要因かもしれません。
―― 将来、この留学経験をどう活かしていきたいですか?
将来は英語を活かせる仕事に就きたいと考えていて、就職するのであれば外資系企業への就職も良いなと考えています。また、高校で地球や宇宙の授業を履修して以来、天文学にも興味があるのでそのような仕事にも携わってみたいですし、自分でビジネスを立ち上げるのも面白そうですね。
いずれにしても、留学で身についたコミュニケーションスキルや、ポジティブなマインドを活かして人脈を広げ、どんな困難にも柔軟に対応できる人間になりたいと考えています。
―― 留学を目指す人へ、準備や心構えについてアドバイスを3つ挙げるとしたら?
- 「恥ずかしさよりも行動を優先する」
実際に私も知らない人に挨拶をしたり、話したことないクラスメートに話しかけることなど、小さな挑戦を重ねていました。時には思ったような反応が返ってこなくて恥ずかしくなることもありますが、段々慣れますし、行動することでコミュニケーションの輪は広がると思いますよ。 - 「短時間でも毎日英語に触れる習慣をつける」
5分でもいいので、好きな英語の動画を見たり辞書を引いたりして、英語学習を習慣化することが大切です。これはTOEFLやIELTSの対策にも役立ちますよ。 - 「荷物は最小限にする」
服や日本食は持ち込みすぎない方が良いです。現地でも調達できるので、特に服なんかは増えすぎると帰国する時に大変です。逆に、友達や家族からもらった手紙など、形に残る思い出の品は心の支えになるのでおすすめです。
―― 留学に興味はあるけど迷っている人に、最後にメッセージをお願いします。
留学と聞くと「ハードルが高い」と思われるかもしれませんが、1週間や2週間の短期留学などもあり、自分に合った期間やレベルを選ぶことができます。「日本にはない経験がしたい」「語学力を伸ばしたい」といった明確な理由があるなら、迷わずぜひチャレンジしてほしいです。きっと視野が広がるはずですよ。

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